ライブレポートを書かなくなった理由を考える

たまにはライブレポートを書きたいと思うのだが、もう何年も書いていないので何で書かなくなったのか原因を考えてみることにする。原因をつきとめておかないとたぶん同じような経過ですぐ書かなくなると思うので、自分を省みるためである。

私がインターネット上でライブレポを書いていた時期があるとしたら、それはインターネットもライブも初心者だったころである。今も音楽などの知識が乏しいのは間違いないが、当時は今よりも知識がなく、今よりあったのはおそらく熱意とか体力とかである。その当時書いた文章が残っていたらたぶん読んでもあまり面白くない。なぜなら書いている本人がつまらなくなってやめたからである。つまらない理由を箇条書きすると

・曲について書くうちに、書くことがだんだんなくなる
・演奏の様子を表現しようとするが、語彙の乏しさに悲しくなる
・結局、MCがどうとか、レア曲をやったとかやらないとか、そんな話題ばかり

(注:上記は過去の自分の文章のことだけを思い出して書いており、他の人とは無関係です!)

こんな感じである。
こんなことを書くのは、私の中には私専用のうるさい評論家がいるためで、自分が過去に書いた文章のことだからかなり厳しく評価してしまうという事情がある。もし他の人が上記に一部でも当てはまるようなライブレポを書いてもたいして気にならないし、読めば参考になると思う。それに上記のような内容だとしても、それを貫き通せばいつかは味わい深い感じになるはずである。だが、私は味わいが出る前にやめてしまった。


また、後で考えてライブレポを上げたことを後悔していて、その反動でライブレポなどに慎重になっている原因があった。それは、ネットのリテラシーについてよく考えていなかったことである。
当時はインターネット上にライブレポをアップロードする意味を深く考えていなかった。
つまらない文章だったが特に問題になるようなことも書かなかった(と思う)し、知られたくないプライバシーまでさらけ出したりもしなかったのでよいけれど、今思うと危なっかしかった。
ライブレポを探してわざわざ読む人の多くは熱心なファンであり、そういった人たちに自分の情報を知られるというのも自覚しないといけない問題で、私はそのことに後で気づいた。
狭い世界のライブでは、特にライブ友達を募集していなくてもライブレポをアップロードすることで個人情報を知られる可能性があり、自分が希望しない場合でもいつの間にか皆知り合いという状況になるようなことが十分ありえる。どのライブに行ったか行かなかったかだって積み重ねれば個人情報であり、知り合いを選びたいなら自分の情報は自分で守らないといけない。
そういえば、私の行くようなライブでは聞いたことがない話だが、ライブレポを書くことによってネタバレだといって非難されるような界隈もあるんだとか。怖い。
今は検索の精度が上がったのでファンはもちろん、下手すれば容易に本人からエゴサーチされて読まれてしまう可能性まであり、本当にネットは恐ろしい。

このブログに関して言えば、もともとは音楽活動の広報のためのブログなので、著者についてはむしろ知ってもらうことに意義があるため、そこは問題ない。内容に関しては自分が書かれていやなことは書かない、後日読み返して不快な文章を書かないということを心がければ問題ないのではないかと思う。私は批判とかえらそうなことは書きたくないので、そういう感想しかない場合はそもそもライブレポ自体を書かないと思う。

どちらにしても、ライブレポを行ったライブ全部で書くとかそういうことは性格やリテラシーの問題、内容のクオリティなどさまざまな理由で私には無理だし、ここはそういう趣旨のブログでもないので、書くとしても時々思い出したように書く程度だと思う。

私はとろいので、かなり(下手すれば年単位の)時間がたってから「あのときのあれは、ああだったのか」的に気づくことがあり、ライブに関してもそうなので、ライブが終わった直後はぼーっとして特に何も言いたいことがなかったりする。感想を求められたりしてとっさに言うことがないと気まずいんだけど、とろいので仕方ないとあきらめている。そういう性質の人にとって、感想を全部書くなんてどだい無理な話である。
ライブレポには書かなくてもすばらしかったり強い印象を残したライブというものは何年たっても覚えているもので、セットリストとかはうろ覚えでも、ふとしたきっかけでいろいろなことを思い出し、そのたびに得られるものがある。
私はそういうライブだけをなるべく観賞したいし、自分で演奏する場合そういうライブが究極の目標である。そういったライブはその場にいた人のものであり、他人に見える形のライブレポというのはプロのライターでもない限りおまけでいいのだと思う。今まで細かなことをぐちぐち書いていたが、ライブレポはおまけ。そう思えば好きなときに気軽にかけるような気がしてきた。軽やかな気持ちで今後はがんばりたい。