歌詞は降ってこない

ふだん曲作りをするとき、昨日書いたように「降ってくる」という現象がよく発生するため、作っているという意識は希薄であり、あまり苦手だと思ったことがない。

歌詞は降ってこない。
そして苦手である。
曲と同時に、歌詞のヒントになる言葉がセットで現れることはあるが、断片的だったりしてそのままではとても歌詞とは言えない。
私にとって、歌詞とは努力してなんとか書き上げるものである。今までの積み重ねもなくなんの気負いもプライドもない曲作りに比べ、私にとって文章は長い友達であり、詩はあまり書いたことはないとはいえ、それなりのこだわりがあるから面倒くさい。自分でつまらないと思う歌詞は歌いたくない。そのわりに私は音楽を通じて世間の皆様に主張したりアピールしたいことは特にないので、テーマの欠如も主要な原因かもしれない。

以前、1曲だけ作詞作曲合わせて所用時間15分で終わったことがあったが、それはものすごくスムーズというだけで、そのときだって歌詞は短い時間ながら推敲して決めた。しかも、ビギナーズラックだったらしくそれ以来そんなに上手くいった試しがない。

ここで、降ってきたとは違うけどオカルトな話がある。夢のお告げである。
ある曲の歌詞をどうするか数日悩んでいたら、夢の中で、その曲が歌詞付きで流れてきたことがあった。それは私が書きたくて書けなかったイメージにとても近く、「これだ!」と思って、目が覚めてすぐに夢の内容をメモして、それを整えたものがその曲の2番の歌詞になった。1番の歌詞は夢には出てこなかったので、2番と辻褄が合うように後から書いた。
ただ、よく考えるとこれは神秘的な話でも何でもなく、当時、私が寝ている間も、私の一部は眠れずに悩んでいたのだと思う。私が寝ている間に働いてくれてありがたかったが、こちらもそれ以来ご無沙汰な体験である。ものすごく悩んだらまた同じような体験ができるかもしれないが、当時はかなり悩んで辛かったので、なるべく頼るのはやめようと思う。