足台考3 (演奏の環境を考える その5)

今日からこれまでのシリーズに戻る。

 
さて、このシリーズは長らく椅子に座って弾き語りをする際の足元の不安定に悩んでいたが、対策としてクラシックギター用の足台やギターレストを買ってはみたものの、使用感に満足できなかった。そんな魂の記録である。(前回までのあらすじ)
 
私には上記の対策を試した後、打つべき手は特に思いつかなかった。後は練習して上達して、慣れるしかないのか。そんなふうに思う日々を過ごしていた。しかし、あるとき突然救世主が現れた。
 
ギター用ではない、一般の木製踏み台である。
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ホームセンターで1600円くらいで購入。高さは約23cm。
 
これは、踏み台昇降が健康によいと聞いて、それを試すために買い求めた。その後踏み台昇降はたまにしかやらないが、ちょっとした物を取るとき、ちょっと座るときなどにも便利だし、見た目も落ち着いており気に入ったので部屋の片隅にいつも鎮座していた。
ギターの足台にするなどとは考えたことがなかったがある日、ふと椅子にすわって練習中に足を載せたら
 
これだ!!!
 
というほど使用感がよかったのである。
 
実は、ギター用にも折りたたみでない足台は売っている。ただし高級品。
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こんな感じの、見た目にも高級感あふれる商品で、1万円強で売られている。画像はネットで拾った写真であり、予算の問題もあるし見た目も木目調の方が好きなので、私が買うことはなさそうである。
 
折りたたみではない足台の利点、それは安定感と広さである。
折りたたみでは一箇所に力を加えすぎると何かの拍子にガシャンと倒れたり、たたまれた状態に戻る可能性はゼロではない。その点、こちらはものすごく安定していて、少しのことにびくともしない。そして、折りたたみ式は天板が狭いので両足を載せるのに相当無理があるが、こちらは広いので片足でも両足でもOKであり、とれる姿勢の幅が広がることも分かった。
 
ところで、ギター用の高級足台として売っているものと一般用の踏み台の違いは値段や見た目だけではない。高さである。
ギター用の高級足台は高さは2種類くらいあるようだが、高い方のサイズで約17.5cmであるらしい。私の木製踏み台は約23cm。この高さがまたよかった。今までと違い、初めて足元の安定感が得られたという満足感があった。
 
しかし、この木製踏み台には数々のメリットとともに大きな問題点があった。すごく重いわけではないが、かさばるのである。
外に演奏に行く場合、ギターと荷物と、さらにこの木製踏み台を持ったら、ひとり民族大移動状態である。
私が車移動だったり付き人でもいるならともかく、車は持ってないし、付き人は言わずもがなであり、未だ外でこの木製踏み台を使ったことがない。使用感も見た目もお気に入りなのでいつかワンマンライブでもすることがあれば意地でも持って行って使いたいが、そのような予定はない。移動が便利な場所で機会があれば試そうと思う。
 
この発見で一般用の踏み台という地平が開けたのは大きかった。
そこからはギター用品にこだわる必要はないと分かったので、ホームセンターなどで代わりになりそうな品をいやらしい目で物色するという趣味が新しくできた。椅子にすわって片足、両足と乗せて試す様子はふつうの使用法ではないのでけっこう怪しい。